2010年6月30日水曜日

丸太その3



            節を攻めているところ。



 反対側の面。丸太の腹側で広葉樹の場合”あて”と言って暴れる要素を含んだ面ですが、この木は特にそんな様子はなさそうに見えます。反対に背中側は木味が良いといいます。



 結果はこれだけの板が取れました。乾燥が上手くいけば、4枚から5枚の一枚板テーブルがとれるでしょう。古木の柔らかい板なので、乾燥も早くうまくいきそうな気がします。取れた板を無駄なく使うプランで頭がいっぱいです。

私は、林さんの丸太の見立てに立ち会うのはこれが3回目ですが、木を見る目は確かです。丸太の見立て、木を読む、木と組む、いずれにしても同じ木は存在しないのでマニュアル化はできないということを再認識しました。
林さんは職人然とした、寡黙で謙虚な方ですが、もの言わずとも側にいるだけで、そんなことを感じさせてくれる素敵な方です。”墨かけ10年読み一生”という言葉がずっしりと重みを増してくる経験をさせて頂きました。



2010年6月28日月曜日

丸太その2

 林さんの見立てで、墨が出た丸太は胴割りと言って芯のところで真っ二つにされました。割った面で材の状態を見て、さらには、材の応力を抜くことが目的です。そうすることで、板になってからの狂いを最小限にします。割った材面は見事な”虎斑”と、古木ならではの深い色が見られました。問題の割れは、元口から末口にしっかり入っていましたが、何のことはなく、白い菌(舞茸菌でしょうか?)があり、さっぱりとした、嫌な感じではないものでした。そして、伐採時期が去年の秋であり、伐採時期として一番いい時期であったこと、伐採されてから時間が経っており、大分水分が抜けていました。良い板が取れる期待が高まったところで、いよいよ板を取ります。
 最初に節のある面から攻めて行きます。かなり大きな節ですが、板を取る度に小さくなり、古木で安定しているため、乾燥しても落ち込みや抜けなどが出ないそうで、見ているこちらも、”かえって味わいがあっていいですね”と洩らしました。
                                つづく

2010年6月27日日曜日

丸太

 最後の江戸木挽き職人と言われている”林 以一氏”の丸太の見立て講座に参加してきました。林さんが元気なうちに木を読む力を少しでも多く学んでおきたいという主旨に私も想い同じく、強引に都合を付けた次第です。参加の問い合わせをしたところ、主催者側が丸太の所有者に私を抜擢してくださいました。丸太の購入は予定していなかったので少し戸惑いましたが、あの林 以一氏の見立てで自分の丸太を製材するチャンスはそうそうありません。それで、その話を御受けしました。つまり、縁あって丸太が私のモトへやって来たのです。
 その丸太は、北海道旭川産のミズナラ、径級80センチ長さ2m推定樹齢300〜400年。1センチ育つのに10年かかる計算で、数えるのが嫌になるくらいです。樹齢が高い木は目がつまって”ぬかに帰る”と言います。その目積みした木質はやわらかく、安定して狂いがないといいます。

このように、すばらしい丸太ですが木口には”本割れ”という立ち木からの深い割れがあること。そして、一材面には大節があり、割れを逃げれば大節ありでどちらを選択しても難ありとおもっていました。しかし、そんな持ち主の心配をよそに、林さんはまともに節を攻めるカタチで墨付けされました。この、ノコを入れる基準となる墨ですべてが決まるようなものなのですが。                                                                                            つづく、

2010年6月23日水曜日

スツール制作

 そら豆スツールを製作中です。このスツールを作りはじめて4年目になりますが、自分で使ってみて、お客様から修理で帰ってきてなどを反映させて構造的に改良しています。今迄は抜きホゾで割クサビだったところを地獄ホゾにしたり、ホゾ孔も一分太くしたりと。これからも品質向上のため改良が加えられてゆくでしょう。

2010年6月21日月曜日

展示

三越日本橋店で、8月11日から一週間、展示販売を行うことが急遽決まりました。
詳しくは、ニュースのコーナーでアップしますので、お待ち下さい。

2010年6月6日日曜日

納品


小平市のh様のお宅に、本日、無事にご注文の家具を納品させて頂きました。

定年退職されて、家でゆっくり過ごすために、イージーチェアー、ソファー、コーヒーテーブル、ダイニングテーブルのご依頼を受けました。

うとうとと、つい寝てしまう家具というコンセプトが肝で、企画デザインにはたっぷりと時間を割きました。今回、お世話になったファブリックの職人さんの力添えもあり、とてもいいものができました。

満足されているお客様を見て、こちらまで幸せな気持ちになるのは、職人冥利につきます。このような仕事をさせて頂いたことに感謝して、今後も、人が安心して身を委ねられる家具作りに全力で向かおうと思います。