林さんの見立てで、墨が出た丸太は胴割りと言って芯のところで真っ二つにされました。割った面で材の状態を見て、さらには、材の応力を抜くことが目的です。そうすることで、板になってからの狂いを最小限にします。割った材面は見事な”虎斑”と、古木ならではの深い色が見られました。問題の割れは、元口から末口にしっかり入っていましたが、何のことはなく、白い菌(舞茸菌でしょうか?)があり、さっぱりとした、嫌な感じではないものでした。そして、伐採時期が去年の秋であり、伐採時期として一番いい時期であったこと、伐採されてから時間が経っており、大分水分が抜けていました。良い板が取れる期待が高まったところで、いよいよ板を取ります。
最初に節のある面から攻めて行きます。かなり大きな節ですが、板を取る度に小さくなり、古木で安定しているため、乾燥しても落ち込みや抜けなどが出ないそうで、見ているこちらも、”かえって味わいがあっていいですね”と洩らしました。
つづく