2010年6月27日日曜日

丸太

 最後の江戸木挽き職人と言われている”林 以一氏”の丸太の見立て講座に参加してきました。林さんが元気なうちに木を読む力を少しでも多く学んでおきたいという主旨に私も想い同じく、強引に都合を付けた次第です。参加の問い合わせをしたところ、主催者側が丸太の所有者に私を抜擢してくださいました。丸太の購入は予定していなかったので少し戸惑いましたが、あの林 以一氏の見立てで自分の丸太を製材するチャンスはそうそうありません。それで、その話を御受けしました。つまり、縁あって丸太が私のモトへやって来たのです。
 その丸太は、北海道旭川産のミズナラ、径級80センチ長さ2m推定樹齢300〜400年。1センチ育つのに10年かかる計算で、数えるのが嫌になるくらいです。樹齢が高い木は目がつまって”ぬかに帰る”と言います。その目積みした木質はやわらかく、安定して狂いがないといいます。

このように、すばらしい丸太ですが木口には”本割れ”という立ち木からの深い割れがあること。そして、一材面には大節があり、割れを逃げれば大節ありでどちらを選択しても難ありとおもっていました。しかし、そんな持ち主の心配をよそに、林さんはまともに節を攻めるカタチで墨付けされました。この、ノコを入れる基準となる墨ですべてが決まるようなものなのですが。                                                                                            つづく、