2010年10月15日金曜日

ろくろ

                      11月の銀座三越に持って行くお皿をろくろで挽いています。写真はラフィングと言って荒削りの作業風景です。
                      最後の仕上げ削りでは、刃物を研ぎ直し、神経を集中させて息を止めます。そして、鉋をかける様にうっすらと優しく削ってフィニッシュ。
                      回しながらペーパーを当てて、更に削りクズでよーく木殺しをすると、ぴかぴかになります。オイル仕上げのものは、機械につけたままオイルを塗り、回してサンジングします。その時の砥糞がオイルと混ざりペースト状になります。そいつを導管に刷り込み、一度目の塗りを終わらせておきます。

一日集中して作業を終えると、どっと疲れがでますが、成果を見ながらの一服は充実感がありますよ。良い木目が出た時には、それを眺めながら酒が飲めます。

2010年10月14日木曜日

アショカの森



 先月の話ですが、私の大先輩である打楽器奏者のYAS-KAZさんのお誘いで、原美術館で開催中の崔在銀 展”アショカの森”オープニングイベントに行ってきました。先輩は最近このような場に御無沙汰していたようですが、この先、作家として生きていこうとしている私に少しでもインスパイアがあればとお誘い下さいました。YAS-KAZさんにご興味のある方は是非検索エンジンで彼のサイトをのぞいてみて下さい。

さて、いまさら何故、先月の話をしているのか。仕事の都合で終わり間際に参加してばたばたと作品を観て廻ったので、見落としている作品もあるはず、そんな中、ある作品が思い出されます。

暗闇の小部屋の中、石の器に水が盛られ、プロジェクターを使って天井から立ち木のシルエットが水面に投影されています。つい引き寄せられじっと見つめていると、天体物のようにゆっくりとシルエットが回っています。作品のタイトルは”もう一つの月”

この作品から感じるものは、私達人間では到底経験できない、悠久のときの流れ、日常の喜怒哀楽とは関係なくどうしようもなく実態として存在しているもの、森羅万象。

ふと、思い返しました。

品川の原美術館で年内展示されていますので、興味があればいかかですか?

2010年10月6日水曜日

友人の展示



 十月になり、空気がすっかり秋になりました。道を歩けばキンモクセイの香りがします。今年はずっと暑かったので、急に秋が来たという感じですね。最近、季節のグラデーションがなくなってしまったように感じます。近い将来、四季が二季になってしまうのでしょうか?

さて、前置きが長くなりましたが、銀座の画廊に友人の展示を見に行きました。芸大の工芸科出身で、困ったときにはお願いを聞いてもらっている作家さんです。写真の作品は”いっぱいの幸せ”というタイトルで、真鍮の四葉のクローバーがたくさん壁から生えています。ところどころ、ロウ付けによる熱で銅に戻った部分がうすピンク色で、サクラの花びらにも見えます。壁に映り込んだ陰影もきれいです。